私共が取組んできた「デザイン墓石」の市場作りは、今日、急速に伸びてきています。 一昔前までは、お墓は、画一的なお墓には入りたくないと思っても、入らざるを得なかったし、お墓の形も決まった形以外は、ありませんでした。 その背景にあったものは、家制度と仏塔として定められた選択肢のない墓石の 形であり、人々のお墓の形に対する自由は、より制限されたものであり、好みを主張するなど考えられなかったわけです。 しかし、家制度が崩壊し核家族化、少子化が進んだ今日、人々のお墓に対する 考え方や意識は驚くほど多様化し、慣習や迷信に縛られない自由なお墓作りが 求められるようになってきたのです。
現在ごく一般的に建てられているお墓は、三段墓(和型)とオルガン型と呼ばれる洋型です。三段墓は、仏塔としての意義付けが成され、江戸時代中期より、 一般庶民が建てはじめ、今日に継承されてきました。 明治時代になると、仏塔の証である仏像、名号、題目が欠落し、家紋や個人俗名が刻まれ、仏教的意義は、次第に薄らぎを始めます。 さらに大正から昭和にかけて、民法に家制度が導入されると、仏塔であった個人墓は、先祖代々墓となり、仏弟子の証として石塔に刻まれた戒名も墓誌や法名碑に記され、仏塔としてのお墓は形骸化されるようになりました。 そして昭和40年代に入ると、高度成長期を迎えた我国のお墓需要は急速に伸び、 需要に対応するため、仏教的意義を持たないオルガン型(洋型墓石)が登場し、 何の抵抗感もなく市民権を得て、お墓の形は自由になったのです。
私共は、この「墓文化」の継承からも、現代にあった墓作りを構築する上で、 多様化する現代人の志向に合った、「お墓のデザイン」の提案をしていかなければならないと思っています。 なぜなら、核家族化、少子化の進行は、先祖代々墓の概念を越えて、 「家族墓」「夫婦墓」「個人墓」「両家墓」などへとニーズを多様化させ、 また、人々のライフスタイルや価値観、死生観の変化によって、
人により墓への想いが異なるようになってきたためです。これらの人々は、従来型のお墓よりも、自分の価値観に合った自分らしいお墓を求める傾向にあります。この新しいニーズに応えるためにも優れたデザインがなされたお墓を私達は供給しなければならないと思っています。